柔道経験者の方々はある日、おじいちゃんの先生が赤白の見慣れない帯を身に着けて道場にやってきた!といったことはこれまでにありませんでしたか?

柔道には、白帯と黒帯の他にも茶帯や紅白帯、赤帯が存在するのです。

そこで今回は、柔道の帯の色別段位と取得方法・刺繍の入れ方・結び方について詳しく解説していきます。

この記事を読むことで、
・柔道の帯色別での取得方法
・柔道の帯の刺繍方法の種類
・柔道の帯の結び方
これらのことがわかりますのでぜひ最後まで見てください。

柔道の帯色とは?

柔道の帯色とは何なのでしょうか。
柔道には段位があり、その段位によって帯の色が大まかに分かれています。

本当に大まかですので、初段を取って間もない中学生とオリンピックで頂点を目指す選手も同じ黒帯です。

また、黒帯の上にも紅白帯や赤帯があるのですがそちらは実力だけでなく年齢制限や実績、柔道界への貢献度なども審査の対象となり、実力があれば取得できるというわけでもありません。

黒帯だからといって強いわけではありませんし、白帯だからといって弱いわけではないため、あくまで帯はある程度の目安だと思っていただいて構いません。

白帯は「14歳未満か柔道を始めて間もないんだな」
茶帯は「ある程度取り組んでいるんだな」
黒帯は「しっかりと柔道に取り組んでいるんだな」
紅白帯は「長く柔道を続けられたんだな」
赤帯は「柔道に多大な貢献をしたすごい人なんだな」

といったイメージを私は各色の帯を身に着けている方達に対して持っています。

柔道帯の色別段位の表

先述しましたが、柔道の帯には段位によって分かれます。

柔道の段位帯色
四級以下白帯
三級~一級茶帯
初段~五段黒帯
六段〜八段紅白帯
九段・十段赤帯

ただし、六段以上の柔道家の方達も黒帯を身に着けていることが多いです。なぜなのでしょうか。その理由は、単純に黒帯の方がかっこいいからです。

他にも、茶帯の有無や黒帯の取得方法は各都道府県の柔道連盟によってことなるため、詳しい取得方法については各柔道連盟に直接聞いてみるか、知り合いの柔道家に聞いてみると良いでしょう。

ではここからは各帯色の取得方法について、それぞれを詳しく解説させていただきます。

白帯の基準と取得方法

柔道を始めたばかりの方は、まず最初にこの白帯からスタートになります。
白帯にはまだ何も修得していない=まっさらな状態との意味を持ち、柔道をしている方なら、だれでも身に着けることが可能です。

茶帯の基準と取得方法

茶帯は三級から一級の間の方が身に着けることが可能な帯となっています。こちらは各都道府県の柔道連盟によって、茶帯を使用している地域もあればしていない地域もあります。私の都道府県では茶帯は採用されておらず、あまりなじみがありません。

茶帯には、帯は洗濯することはないことから白い帯だったものが練習を重ねることによって黒くなる(黒帯になる)過程の途中の色という意味を持っています。

黒帯の基準と取得方法

黒帯は初段から身に着けることが可能になります。初段を取り立ての方から、オリンピックで頂点を目指す方まで幅広く使われている帯がこの黒帯になります。

黒帯の取得には14歳以上という年齢制限も設けられています。

黒帯の始まりは、帯は洗わないため、元々白かった帯が練習を重ねることによってだんだんと黒くなっていったことからだそうです。

初段の取得方法は各都道府県の柔道連盟によって異なります。なので各地域の初段の昇段方法は各柔道連盟に問い合わせるか、知り合いの柔道家の方に聞いていただければと思います。

参考として、1つの都道府県の初段になるための方法を紹介させていただきます。
その都道府県では、毎月月次試合というものが開催されており、その中の初・二段の部にエントリーし、合計10回以上勝利することができると、形の試験を受講できるようになります。

形の試験で合格が認められると、後日昇段試合が行われます。
その都道府県では昇段試合では勝ち負けではなく、「積極的に攻めていたか」「勝つ意欲があるか」といった試合の内容が審査の対象となっており、審査の方から合格をいただくと初段となり、晴れて黒帯を身に着けることが可能になるといったものでした。

このように黒帯を取得するためには初段が必要で、初段を取得するには各都道府県に定められた昇段試験をクリアする必要があります。

紅白帯の基準と取得方法

紅白帯は六段から身に着けることが可能になります。六段を取得する際も年齢制限があり、こちらは男性は27歳、女性は35歳以上からでないと取得することはできません。

また、六段以上は各都道府県の柔道連盟で試験を行うことはできず、講道館での取得を行うことが必須となります。

この六段以降は年齢制限がそれぞれに設定されていることから、現役選手が取得することは極めて難しいと言われていました。

しかし、オリンピック3連覇を成し遂げた野村忠宏さんが2015年に、当時現役ながら七段に昇段されたことが柔道界では話題となりました。

赤帯の基準と取得方法

赤帯は男性は九段、十段で身に着けることが可能になります。
女性は八段から身に着けることが可能です。

赤帯は柔道に限らず、様々な武道でも最高位という意味があります。ただ強いだけでは赤帯を習得することはできず、年齢や柔道への貢献なども考慮の対象となります。しかし十段は2019年2月現在でご存命の方は4名のみだそうです。

また、九段も「各都道府県に一人いるかどうか」とのことですので、赤帯を取得することは極めて難しいといえます。

柔道帯の刺繍の入れ方

つづいて柔道に名前を入れるための「刺繍」について紹介させていただきます。
柔道の帯には、片方に所属している道場や学校名、実業団名を刺繍して、もう片方には自分の名前を入れるのがポピュラーとなっています。また、選手の中には自分の名前と自分の好きな言葉を刺繍したりしている方もいます。

この柔道帯の刺繍の入れ方には大きく分けて2種類あり、
①裏抜けアリ
②裏抜けナシ
これらのメリットやデメリットを解説させていただきます。

①裏抜けアリ

裏抜けアリの柔道帯は、市販されている柔道帯に上から直接刺繍するため、お手軽なことからその分安価で手に入れることができます。

しかし、表側(名前が刺繍されている方)は問題ありませんが、裏側(名前が刺繍されていない方)は刺繍の裏抜けがあって嫌だと感じる方も少なくないようです。 

②裏抜けナシ

対して裏抜けナシの柔道帯は、生地にあらかじめ刺繍を施したのちに帯を制作するため、裏側に刺繍跡ができることはありません。

しかし、生地の段階で刺繍する分、手間とコストがかかりますので高価になっています。

柔道が強い人は柔道着の見栄えにもこだわっている選手が多いです。対して柔道があまり強くない人は柔道着の見栄えにあまりこだわりがないために、帯の色は関係なく、見た瞬間にその人が強いか弱いかある程度分かってしまうこともあります。

柔道があまり強くない人は見栄えにあまりこだわっていないことが多いことから、裏抜けアリの帯を身に着けている選手が多く、反対に強い選手は柔道着の見栄えにこだわっている人が多いことから裏抜けナシの帯を身に着けている選手が多いといった印象があります。

ですので、見栄えで舐められたくない!と思う柔道家の方は、裏抜けナシの柔道帯を選んでおくのが無難だと思います。

柔道帯の結び方

ところで、柔道の帯の結び方は知っていますか。

柔道をすでにされている方はご存知の事と思いますが、これから始めたいと思ってらっしゃる方のためにイラスト付きで帯の結び方を解説させていただきます。帯を結んだことのない方は、ぜひ参考にしてください。

※わかりやすく解説するために、帯の先端にA、Bと名付けました。

ステップ①

まず、帯の中心を体の前側にあてます。この際、体にあてる帯の面が裏側だと、巻いたときに名前の刺繍が相手に見えるようになりますのでそのようにしておきましょう。

ステップ②

帯を体に一周巻きつけます。ですので、AとBはそれぞれ反対の手に渡ったということになります。

ステップ③

次はAをすでに体に巻き付けてある帯に被せます。そしてBもすでに体に巻き付けていた帯とAの上に来るように被せて、下から上に向かって帯の裏側に差し込んで引っ張り出します。

ここで一旦帯をギュッと締めると良いでしょう。そしたらBが上側にあり、Aが下側にあることが確認できると思います。

ステップ④

そしたら最後、上側にあるBを体に巻き付けてある帯に被せ、下側にあるAを上に持ち上げます。そして上から体に巻き付けてある帯とBの間にAを差し込み、AとBをそれぞれ手で持ってギュッと締めたら完了です。

練習のたびに行う動作ですので、回数を重ねていくうちに自然と身につきますから初めはうまくいかなくても問題ありませんよ。

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まとめ

いかがだったでしょうか。今回は柔道の帯をテーマに紹介させていただきました。柔道の帯にはさまざまな種類がありますが、初段になりたての中学生からオリンピックで頂点を目指す選手も同じ黒帯といったように、それらはあくまで目安でしかありません。

また帯にはそれぞれ取得方法が異なっていることや、帯の結び方がわかっていただけたかと思います。

柔道の帯の刺繍につきましては、好みにもよりますが見た目で舐められたくない!と思う柔道家は裏抜けナシの柔道帯を選んでおくのが無難だと思います。