※この記事のライターは、柔道二段で6歳のころから柔道を始め、高校ではオリンピック金メダリストを輩出した強豪校に3年間在籍。全国少年柔道大会で3位の実績を持つ方です。

「最近柔道を始めたんだけど、もっとうまくなりたい、強くなりたい!」
「これから柔道を始めたいけれど、怪我なくやっていけるか不安…」

そんなの方ために練習方法12種類と初心者でも上達する練習メニューとコツを紹介します。

この記事を読むことで、
● 柔道に対する心構え
● 柔道の様々な練習方法
● 柔道の上達のコツ
これらの事がわかります。

この記事を参考にしていただければ必ず強い柔道家になれますので、ぜひ最後までお読みください。

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柔道をこれから始める初心者の心構え

まずはこれから柔道を始めたいと思っている方に向けて心構えからアドバイスさせていただきたいと思います。

柔道をこれから始めるにおいて、一番大事なことは「柔道」というもの心から楽しむことです。好きこそものの上手なれと言うように、人間は好きなものに対してはもっと上手くなるために積極的になります。

しかし、好きでないものに対しては消極的になってしまいます。これはどうしようもないことなのです。

ですので、柔道をこれから始める初心者の方には、強くなっていただくためにも、楽しみながら取り組んでいただければと思います。

柔道の練習方法12種類

では早速ですが、ここからは柔道の練習方法を紹介させていただきます。

様々な練習方法がありますが、今回は
● 受け身
● 立ち技・打ち込み
● 立ち技・スピード打ち込み
● 立ち技・三人打ち込み
● 立ち技・移動打ち込み
● 立ち技・投げ込み
● 立ち技・乱取り
● 寝技・打ち込み
● 寝技・一人打ち込み
● 寝技・乱取り
● 寝技・道着を着ないで乱取り
● 人形を使った練習
これらの12種類を順に解説していきます。

すべてやる必要はなく、自分がやるべき練習を選んで行うようにしましょう。

①受け身

柔道では相手に投げられた際、受け身をすることで技の衝撃を逃がします。怪我の予防のためにも日ごろから受け身の練習をおこないます。初心者の方はこの「受け身」の練習から始めていきます。

②立ち技・打ち込み

打ち込みは、実戦で使用するための技を連続して相手に繰り出します。打ち込みは技に「入る」ための練習ですので、投げることは行いません。打ち込みで技の反復練習をすることにより、技の入り方を身体に覚えさせていきます。

③立ち技・スピード打ち込み

実戦では技の正確さはもちろんですが、相手に対策される前に技を仕掛けるための「スピード」も重要です。実戦で素早く正確な技を仕掛けるためにも、普通の打ち込みよりも速く行う「スピード打ち込み」を行うことも効果的です。

④立ち技・三人打ち込み

三人打ち込みという練習方法もあります。三人打ち込みとは攻め手の一人が技を仕掛け、受け手の二人がその技を防ぐといったものです。攻め手は受け手が二人いるため、思い切って技を仕掛けることができますので、より実戦に近い技の仕掛けを行うことが可能になります。

⑤立ち技・移動打ち込み

通常の打ち込みはその場で停止している相手に打ち込みますが、実戦では相手は常に動いている状態です。そこで、移動打ち込みでは移動してる相手に打ち込みを行うことで、より実践で使える技を身に着けることが可能になります。

⑥立ち技・投げ込み

投げ込みでは、技を使って実際に相手を投げて感覚を確かめます。その際、相手は耐えずに投げられてあげます。そうすることで、攻め手は実際に投げて技の感覚を確認し、さらに精度を高めていきます。また、受け手も技の衝撃を逃がす「受け身」の練習にもなっています。

⑦立ち技・乱取り

乱取では、実戦形式で相手と技の攻防を行います。複数のグループで行う場合は周りを確認しながら怪我のないよう気を付けましょう。

⑧寝技・打ち込み

寝技においても技を身体に覚えさせるため、打ち込みを行うのが効果的です。亀からの打ち込み、下からの打ち込みといったように、様々なポジションから打ち込みを行うとより効果的です。

⑨寝技・一人打ち込み

寝技には一人打ち込みが存在します。様々な場面を想定した動きを一人でも行うことができます。ここでは数種類の一人打ち込みを紹介します。

◯腰ひねり
袈裟固めの際に足を巻かれた状態の時に、足を抜くために使用する技です。

◯足けり&足回し
自分が下のポジション(柔術や総合格闘技ではガードポジションと呼びます)となった際に、相手をコントロールするために足を使う練習です。

◯脇締め
抑え込みの際に行う動きです。脇を締めることで抑え込みから逃げられる可能性を下げる効果があります。

◯えび
相手に抑え込まれた際に行う動きです。その際の動作が「えび」に似ていることからこの名称が付けられました。

⑩寝技・乱取り

寝技も立ち技同様、実戦形式で乱取りを行います。

柔道の寝技は
● 抑え込み
● 締め技
● 関節技(肘関節のみ)
が存在しますが、小学生は締め技と関節技が禁止、中学生は関節技のみ禁止、高校生以上は全て使用可となります。

関節技においては本気で極めると痛いので、練習では力加減に気を付けて行いましょう。乱取りでは、抑え込みは10秒程度で仕切り直し、関節技や締め技は相手がタップしたら仕切り直しとなります。

⑪寝技・道着を着ない乱取り(グラップリング)

試合や実戦形式の練習では時間の経過とともに、どうしても道着が乱れてしまい、仕掛けたい技が道着が乱れてしまっているせいで仕掛けられないといった場面が多々あります。ですので道着を使った攻防のみに依存しないために、道着を着ていない状態で行う寝技の練習も効果的です。グラップリングとも言います。

⑫人形を使った立ち技の投げ込みと寝技の打ち込み

一人で練習を行う場合でも、人形を使って立ち技の投げ込みや寝技の打ち込みを行うことが可能です。

柔道初心者におすすめの練習メニュー

では次に柔道初心者におすすめの練習メニューを紹介させていただきます。

柔道初心者の方は、はじめは必ず受け身の練習からおこなってください。いきなり立ち技の実戦から入ってしまうと、受け身のできない方は投げられた際に後頭部を打つといった怪我の危険性が極めて高いためです。

受け身を習得してから徐々に打ち込み、投げ込みといった実戦に近い練習を行っていきましょう。また、寝技は怪我の発生率が立ち技と比べて低く比較的安全に行うことが可能です。

ですので初心者の方におすすめの練習メニューは、

受け身の練習

立ち技の打ち込み・投げ込み

寝技の打ち込み・乱取り

立ち技の乱取り

この順番で行っていただくのがおすすめです。焦らずコツコツとやっていきましょう。

柔道が上達して強くなるコツ5個

ここからは柔道が上達して強くなるコツを5個紹介させていただきます。

● 反復練習を必ず行う
● 脇を締めることを心がける
● 寝技で亀の状態にならない
● 失敗を恐れない
● 自分が試合したビデオを見る

これらを順に解説していきます。

①反復練習を必ず行う

柔道が上達して強くなるコツ一つ目は「反復練習を必ず行う」です。先生や先輩方に教えてもらった技などで「これは使えそうだな」と思ったものがあれば、その技の反復練習を練習日は毎回行ってください。

その理由は人間の脳の構造にあります。人の脳は取り入れた情報を全て保存しているとパンクしてしまうので、何日も使うことがなければ記憶から消してしまう仕組みになっているからです。

ですので日ごろから使う技の反復練習はもちろんのこと、今後使えるようになりたい技の反復練習を行うことで「この技は必要だから覚えておいてくれよ!」と脳に伝えておくことができるのです。

このことから、反復練習を必ず行うことが柔道が上達して強くなるコツ一つ目です。

②脇を締めることを心がける

柔道が上達して強くなるコツ二つ目は立ち技も寝技も関係なく「脇を締めることを心がける」です。

理由としては立ち技においては脇を開くと身体の力が相手に伝わらないため、技が掛かりにくいことと、相手からすれば力が伝わってこないので怖くないため、相手が積極的に技を仕掛けることができてしまうことが挙げられます。

寝技においては、押さえ込んだ際に脇が開いていると逃げられる可能性が高まることと、高校生以上は脇が開いていることによって関節技を仕掛けられるリスクが高まることが挙げられます。

◯脇を締めるのが重要なのは柔道だけではない
そして、脇を締めることが大事なのは柔道だけではありません。柔道以外のスポーツも、脇を締めることはとても重要なのです。

野球のバッティングの際、脇を開いてスイングすると体重がバットの先に乗らないので、ボールが遠くに飛んで行ってくれません。しかし脇を締めてスイングすることでバットに体重が乗り、ボールが遠くへ飛んで行ってくれます。

ボクシングにおいても脇を開いてパンチを打つと体重が乗らないので、もしもそのパンチが相手に当たっても効かせることができません。脇を締めてパンチを打つことで体重が拳に乗り、相手に効かせることができるのです。

このように、他のスポーツと同じように柔道も脇を締めて、相手に体重を伝えることが重要なのです。このポイントを押さえておくことが、柔道が上達して強くなるコツ二つ目です。

③寝技で亀の状態にならない

柔道が上達して強くなるコツ三つ目は「寝技で亀の状態にならない」です。

亀の状態になるのがダメな理由としては、亀の状態になると言うことは「守りの姿勢に入る」ということに他ならないため、練習で守ってばかりだと上達しないことが挙げられます。練習で攻めることができなければ当然試合で攻めることはできません。

なので、亀の状態になって守ってばかりで攻める練習を行っていなければ、いつまで経っても攻めるようにはなれませんから、当然強くなりません。「寝技が苦手だ」と思っている柔道家の方は寝技が向いていないのではなく、単に攻撃する練習をしていないことが原因だと思われます。

ですので、勝つ寝技を習得するためにもなるべく亀にならないで相手と向き合うことが重要です。これが柔道が上達して強くなるコツの三つ目です。

④失敗を恐れない

柔道が上達して強くなるコツ四つ目は「失敗を恐れない」です。これも柔道に限った話ではありませんが、とても重要なポイントですので紹介します。

どんなスポーツにおいても、できることならたとえ練習でも失敗はしたくありません。しかし「失敗は成功のもと」というように、失敗は成長にするための最大のヒントなのです。

ですので、失敗したら次は同じミスをしないようにどうやったらいいのかを考えながら練習に励むことで、少しずつ自分の欠点が減っていきます。そうすることでおのずと成長していくのです。

よって、柔道を上達して強くなるコツ四つ目は失敗を恐れないことです。

⑤自分が試合したビデオを見る

柔道が上達して強くなるコツ五つ目は「自分が試合したビデオをかならず見る」です。こちらも柔道だけに限った話ではなくどのスポーツにも言えることなのですが、ぜひ実践していただきたい事ですので紹介させていただきます。

自分の試合のビデオを必ず見ることが重要な理由としては、自分が行った試合を自分以外の視点(客観的視点)で見ることができるということです。

客観的視点から自分の試合を見ることで、
● ここチャンスだったなあ
● 自分の姿勢があまりよくないなあ
● 自分の想像してた動きと実際の動きがかなり違うなあ

といったように、試合中では気付かなかったことに気付くことができます。

そして自分以外の視点で見た事で気が付いた点をメモしておき、練習で修正または成長させていくことでより早く上達が見込めます。よって、柔道を上達して強くなるコツ五つ目は自分が上達したビデオを見ることです。

柔道が強い人の特徴3個

では最後に柔道が強い人の特徴を3個解説させていただきます。

主な点としては、
● 相手が強いからといってビビらない
● 組み合った際に体重以上の重さを感じる
● 柔道着の着こなしがかっこいい
です。これらを順に解説していきます。

①相手が強いからといってビビらない

柔道が強い人の特徴一つ目は「相手が強いからといってビビらない」です。

柔道があまり強くない人は自分より強そうな場合だとビビってしまい、勝つために考えることをやめてしまう傾向があります。結果、本来の力を出すことができずに終わってしまいます。

しかし、柔道が強い人はそうではありません。相手が強いからと言ってビビることなく、どうやったら勝てるかについて考えています。柔道が強い人は常にどうやったら勝てるかを考えているから強いのです。

②組み合った際に体重以上の重さを感じる

柔道が強い人の特徴二つ目は「組み合った際に体重以上の重さを感じる」です。

その理由は、(1)強い人は常に脇を締めていて体重を相手に伝えることができていることと、(2)常に勝とうと思っているので前に出続けてくることが挙げられます。

この2つのポイントを意識することで、体重以上の重さを相手に与えることができているのです。

③柔道着の着こなしがカッコいい

柔道が強い人の特徴三つめは「柔道着の着こなしがかっこいい」です。柔道の強さとは直接関係ありませんが、柔道が強い人は柔道着をビシッと着こなすことで相手にナメられないように心がけています。

柔道着の主な着こなしのポイントとしては
● 柔道着のサイズが大きすぎやしないか(特に上着)
● 帯が長すぎてはいないか
です。着こなしも強い柔道家にとっては重要なポイントになります。

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まとめ

柔道の練習方法と初心者でも上達して強くなるコツをご紹介させていただきました。柔道を楽しみながらも、どうやったら強くなれるか考えながらおこなうことで上達するスピードは格段にアップします。

そのためにも普段の何気ない練習も、丁寧に大切に行っていきましょう。千里の道も一歩からです。コツコツと頑張ってください。最後までお読みいただきありがとうございました。


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