日本が世界に誇れるスポーツの一つである柔道。世界大会でも若い世代が多く活躍してくれています。柔道の技にはたくさんの種類があり、一つ一つがどのように使われているのか気になるところです。

そこで、今回の記事ではそんな柔道技を種類別に一挙に徹底解説します。基本技から大技、珍しい技など多種多様な柔道技の解説です。

この記事を読むと、実際にどのように柔道技が使われているのかも分かるので是非最後までご覧ください。

柔道の技一覧67種類[投げ技]

手技(15本)

手技は非常にダイナミックかつ芸術的に相手を地面につかせることから、柔道の代名詞といっても過言ではありません。ここでは、そんな投げ技について解説していきます。

1. 背負い投げ
一般の人が思い描く柔道の代名詞とも呼べる技です。相手を背中に乗せ、釣り手と引き手を使い体重移動を行うことで、豪快に相手を投げ飛ばします。また、自分の足のばねも重要で、柔道センスが光る技です。

2. 一本背負い
背負い投げと同様こちらも柔道の代名詞として有名です。背負い投げとの違いは釣り手から手を離し、引手に腕を挟むことです。背負い投げが、相手の体全体の体重移動によって投げる技であるのに対し、一本背負いは釣り手側に集中させることで投げることになります。

3. 背負い落とし
背負い落としは背負い投げと体落としを組み合わせた技であるといえます。手の動きに関しては、背負い投げと同様にして足の動きは体落としの動きを行います。自分の体を使って相手を担ぎ上げ、足を使って投げるため強力な技です。

4. 帯落とし
引き手の足を大きく踏み込んで、前帯を持ち、その状態から釣り手を離しわき腹から回しこみ後ろに回ります。その後、相手を引き寄せながら踏み込んだ方の足を支点に回すことで相手を投げる技です。動きが複雑で難しい柔道技です。

5. 朽木倒
朽木倒しは引き手を離し、相手の釣り手側の足のふくらはぎ部分を持つのが朽木倒で、ポイントは釣り手で、釣り手で相手の胸部をしっかりと押し、足と上半身のバランスを破壊することが重要です。

6. 踵返
踵返は朽木倒しとほとんど同じで持つ場所が異なります。踵返は文字通りくるぶしかたかかと周辺を持ち相手を倒す技です。

7. 内股すかし
内股すかしはカウンター技です。相手が足技である内股を繰り出してきたときに、横にそれるか、受け流し、相手の体重が前に崩れていることを利用して釣り手で相手と同じ方向に力を加えることで転がすように投げます。

8. 小内返
小内返はもともとスピードの速い小内刈りに対するカウンター技のため非常にセンスが必要な技です。相手が小内刈りを繰り出してきた際に、素早く重心を後ろにそらし、引き手と釣り手で相手の足と逆方向に円を描くようにすることで回転するように投げます。

9. 肩車
肩車は相手の脇に頭を入れ、一方の手で相手の足をつかみ担ぎあげ、釣り手、引き手どちらか一方の手で地面にたたきつけるように下へおろす力を加えます。肩を円の直径として、手で円を描くことによって華麗に相手を投げます。

10. 諸手刈り
奇襲の際に良く使われる技です。深く腰を落としレスリングのタックルのように相手の両足を掴み投げます。俊敏な早さが求められ、相手に悟られてしまうと簡単に対処され、逆にピンチに陥ってしまう可能性もあります。

11. 体落とし
引き手側に足を出し、釣り手を引き手側に、引き手を斜め下に落とすことで投げます。足を支点にして釣り手で相手を浮かせ、引き手で相手を崩すという動作を行っています。これを同時並行的に行うことで相手はいとも簡単に崩れ落ちます。

12. 掬投
実践でも良く使われる力技で相手を掬ってなげる技です。肩車と違い引き手を相手の内腿あたりから股関節にかけて抱えあげ投げます。シンプルな技だけに様々なアレンジが行われており、特に段違いの筋力トレーニングを積んだ選手が良く使っている印象です。

13. 山嵐
柔道マンガでも必殺技として良く使われている技です。ほとんど実践で見ることはありません。釣り手で引き手側の奥襟をつかみ相手の体重を引き手側に寄せて、体落としのように足をかけます。片側のみに体重移動させ、固定させることで強力な技になります。

14. 隅落
別名空気投げとも呼ばれる伝説の技です。相手を一度後ろに後退させ、前に出てこようとするときに、相手を引き込み自分も足を出します。そうすると一瞬相手の重心を支配することになり、釣り手を引き手方向に動かすだけで相手はくるりと回転することになります。相手の体重移動を瞬時に見抜き、繰り出せるタイミングもほとんどないため、伝説級の高難易度な技となっています。

15. 浮落
浮落は隅落と対比すると良くわかる技です。隅落との違いは主に足を出すか出さないかということです。浮落は相手が足を出すタイミングで自分の体重を斜め下に落とすことで相手を転がします。自分は足を出さずに相手の力がかかっている方向にそのまま引き出すイメージです。

足技(21本)

足技はダイナミックな技からトリッキーな技まで幅広くそろっています。また、連携技を繰り出す際に、最初の一手になることが多い技でもあります。

1. 大外刈り
足技の中の背負い投げといっても過言ではないダイナミックな技です。引き手と釣り手を使い引き手側に相手の体重を移動させ、引き手側の足関節裏側あたりから自分の足で刈り取ります。シンプルかつ相手を確実に倒すことができるため、多様な足技から最後の連携として使用されることが多いです。

2. 大外落とし
大外落としも大外刈りに良く似ていて、刈り取る足を完全に地面につけ、その足を支点に相手の上体と足のバランスを崩します。大外刈りは投げますが、大外落としはストンと後方に相手を落とします。

3. 大外車
大外車は大外刈りと同じようにモーションに入り、相手の両足の後ろを刈り取る技です。刈り取るといっても、実際は相手の後ろに入れた自分の足を支点にして、釣り手と引き手をしっかりと引きつけることで相手を転がす技です。

4. 大内刈り
大外刈りが足の外側から刈り取るのに対し、大内刈りは釣り手側の内腿あたりに足をひっかけ自分側にもってくることで相手を後ろに倒します。体重移動は自分が基本で、自分の体重を相手に掛けることで、相手の体重を強制的に後ろに掛けさせることになります。思い切った大内刈りでは相手もろとも自分も倒れることが多いです。

5. 内股
大内刈りが内腿から後ろに倒すのに対し、内股は自分の足で相手の内腿を跳ね上げ投げ上げる大技です。釣り手・引き手両方を斜め上に上げることで相手の体重を上に崩します。その浮足立った相手の足を跳ね上げることで大きく相手が浮いて飛びます。大技だけに色々なバリエーションがあるのも特徴です。

6. 出足払い
出足払いは相手を一度追い込み、不用意に相手が前に出てきた瞬間の足を狙います。足が地面につく寸前に足の横を自分の足で掬うことで相手は簡単に転びます。この技は奇襲的かつセンスの光る技で、数多くの実戦経験がものを言います。

7. 送り足払い
送り足払いは出足払いとは対称的に相手の行動に合わせて技をかけます。良く見る掛け方としては、相手と自分がすり足状態で激しい動きになっているとき、相手の横移動に合わせて同じ方向に足の外側から足を払います。特に土踏まずの横を払うと効果的です。

8. 小外刈り
小外刈りは引き手と同じ足を相手の釣り手側のひざ裏から刈り取る技です。大外刈りの足が逆バージョンです。大外刈りはモーションが大きいのに対し、小外刈りは同じ位置の足を刈ることから非常にモーションが早いのが特徴です。亜種に小外掛けという技もあります。

9. 小外掛
小外掛は小外刈とモーションは同じですが、足を掛ける位置の違いにより刈り取るというよりも掬い上げて倒すといった表現が適切です。そのため、足を掛ける位置は小外刈よりも深いことが特徴です。

10. 小内刈り
小内刈りは自分の釣り手側の足で、相手の釣り手側の足を刈ります。釣り手の腕を相手に押し付け斜めに押しながら、引き手を斜め下に落としながら技を掛けると効果的です。ただし、トリッキーな技のためその他にも色々なバリエーションがあり選手独自の小内刈りを楽しめます。

11. 支釣込足
足の出し方の最初のステップはほとんど大外刈りと変わりません。ただし、その後足を掛けるのは、相手の引き手側の足です。掛けるといっても添えるという言い方が適切で、この足を支点に相手を回して倒します。最初の踏込が大外刈りとほとんど同じなので、大外刈り前の連携技として使用することも多いです。

12. 膝車
支え釣り込み足が相手の足首に足を添えるのに対し、膝車は膝に足を添えます。あまり区別せずに使うのがほとんどです。

13. 払釣込腰
支え釣り込み足と体の開き方が似た技です。相手を一度後方へ上体より足が後方へ行くように追い込みます。この時に上体を出来るだけ固定する組手を行うことがポイントです。そこに逆らって相手が足を踏み込んできたときに自分の引手側の足で外側から強く払い体も引手側に開きます。そうすると、相手の上体と足のバランスが崩れ強く飛びます。

14. 大車
払腰のモーションで相手に足を掛け、上体を半身だけひねりその力を使って相手の足の外側に自分の足をあてそこを支点に勢いよく相手を回します。足を掛ける位置は相手の太ももあたりが多いです。

15. 足車
足車は大車とほとんど同じで足を掛ける位置が異なるだけです。足を掛ける位置は相手のふくらはぎあたりに足を掛け勢いよく回します。

16. 燕返
燕返しは足払い系統全般の技に対するカウンター技です。払いに来た足の外側から相手が払った方向に足払いを繰り出します。上手く決まれば非常に有効な技ですが、相手の出方を見ないといけないためセンスの光高難度な技です。

17. 大外返
大外返しは中途半端な大外刈り系統の技を掛けてきた相手に対する有効なカウンター技です。技の行い方は簡単で、相手の大外刈りを耐え、逆に踏み込んで大外刈りを決めに行きます。相手の上体のバランスが崩れている場合が多いので非常に有効です。

18. 大内返
大内返は大内刈りに対するカウンター技で、不十分な大内刈りを掛けてきた相手に対して非常に有効です、特に上体の間が空いているときがチャンスです。こちらの上体のバランスが崩れていない状態から大内刈りを繰り出した足の裏側から足を払うと相手は崩れます。

19. 跳腰返
跳腰を行われた際、相手との距離をあけ、お腹を出して耐えます。そうすると相手は足一本の上体で立っていることになるので、その一本の足を狙います。一番近い方の足を使って、すね側面に足の裏を当て外から内に払います。

20. 払腰返
跳腰返と同様に、払腰の入りが不十分なときに使用します。相手との距離をあけ、一本の支えとなっている足を狙います。足側面に自分のふくらはぎをあて刈り取るようにかけると効果的なカウンター技となります。

21. 内股返
内股すかしと同様に相手の内股を耐えるか、回避したあと片方の支えとなっている足を狙うカウンター技です。このカウンターも、ふくらはぎ側面を刈り取ることを意識すると簡単に決まる可能性が高いです。

腰技(11本)

腰技はモーションが大きく、手技同様ダイナミックな技が非常に多いです。この技の種類は一本を取りに行く技となることがほとんどです。

1. 大腰
大腰の技のかけ方は至ってシンプルで、非常に強力な技です。まず自分の釣り手を離し、相手のわき腹から腰に掛けて釣り手で固定します。その後相手を自分の腰に背負い投げと同じモーションでのせて、回転させます。力の強い選手が行うことの多い技です。

2. 浮腰
大腰とモーションは似ていますが、完全に腰にのせる動作はありません。腰の回転と腕の力を使って横に薙げる技です。大腰より技のモーションが早く、相手の体勢が崩れた時などに有効な技です。

3. 腰車
腰車は引き手を使って相手を斜め前に崩したあと、釣り手を奥襟方向に滑り込ませて首に巻きつけます。その直後に回転し腰にのせ相手を円を描くように投げる技です。実戦では中々目につくことのない大技です。

4. 釣腰
釣り腰は腰車と最終形が似ている技です、ただし釣り手の持つところが異なり、後帯を持ち、吊り上げて腰にのせます。その後腰の回転を使って腰車と同じように投げます。

5. 払腰
釣り手は相手の顔の真横から横に薙ぐように力を籠め、引き手を上げながら、体を回転させ相手の釣り手側の足を払います。体の回転の速さや力の強さがダイレクトに伝わる技なので実戦でも良く使われている技です。

6. 跳腰
跳腰は払い腰と同様の引き手と釣り手の動きをします。ただし、足の動きが異なっており、払い腰は足を軸に投げますが、跳腰は腰にのせるようにくの字型にします。内股と非常に似ている技でもあります。

7. 移腰
移腰は相手が腰技を繰り出してきた際に繰り出すカウンター技です。腰技を使ってきた際には、引き手を離し相手の腰に手を回します。そこで一度相手の技を受け止め、相手が体勢を立て直そうとしたところに抱き上げながら腰にのせ投げます。

8. 後腰
後腰は一度相手の腰に乗る寸前まで行って行うカウンター技です。非常にリスキーで失敗すると投げられてしまいます。まず、相手が腰にのせようとしてきたときに、後ろに回り相手の腰に抱きつきながら、足の膝裏側にこちらの膝をあてます。そのご相手が体勢を立て直そうとしたときに後ろになげます。

9. 袖釣込腰
引き手を上に上げ、釣り手方向に体を回転させて腰にのせる大技です。釣り手と引き手の作用、体の回転が背負い投げと全て真逆になると理解すると分かりやすいです。相手を引き手から吊り上げるため大きな力が必要になってきますが、攻撃力が非常に高い技でもあります。

10. 釣込腰
袖釣込腰が引き手を上に上げるのに対し、こちらは引き手を巻き込むようにして相手を腰にのせます。ほとんど背負い投げと同じモーションになりますが、背負いが相手を足のばねで投げるのに対し、こちらは手と腰の回転を使って投げます。

11. 抱上
相手が寝技に持ち込もうと仰向けになった時に使用する技です。相手の両足外側から手を入れ襟を掴んで持ち上げます。この技は現在では有効な技として認められていません。

捨て身技(20本)

捨て身技は自分の体を文字通り捨てて掛ける技です。決まれば非常に強力な技ですがその分、失敗すると相手からの反撃にあいやすくリスキーな技と言えるでしょう。その中でも代表的な3種類の技をお伝えします。

1. 巴投げ
巴投げは決まると非常に華麗な技かつ、色々な動きの中で繰り出すことのできる実戦向きの技です。相手が横に動いたタイミングで、膝を曲げ相手の太ももあたりに足をかけます。そのまま後転を繰り出す要領で後ろに倒れるようにし、相手を蹴りあげることで相手を投げます。

2. 引込返
巴投げに腕の力をより伝えるモーションを追加した技です。非常に入り方は似ており、違いは相手を引き込むために後帯をとるかどうかです。後帯をとることで、相手の体勢は前のめりになり、コントロールしやすくなります。

3. 隅返
こちらの技も巴投げに似ています。足の使い方が少し異なっており、隅返は相手の股間部分に足を入れ蹴り上げる技です。外国人選手に得意な選手が多くいる印象です。上半身のバランスが崩れていたら強引に潜り込み使える技です。

4. 俵返
諸手刈の返し技です。相手が諸手刈を仕掛けてきた際に、わき腹からお腹にかけて腕でロックし自分が後ろ向きに倒れながら頭越しに投げます。足を全く使わない点が特徴的です。

5. 裏投
正式な裏投げは相手が奥襟をとりに行こうとモーションが大きくなったときに、その隙をつき背後をとって自分の背後に投げる技です。ただし、実戦では正面から相手の懐に入り抱きかかえるようにして後ろになげる裏投げが多用されています。

6. 横落
横落は相手を一旦後ろに追い込んだあと、前に出てくる瞬間を狙います。この際に斜め後ろに崩すように追い込むことがポイントです。その後足が前に出てきたときに引き手方向の足をスライディングするように払います。この際に自分の体重を掛けるために下に落ちるため捨て身技となっています。

7. 谷落
横落と良く似た技ですが、横落が正面から横に落とすのに対して、谷落は横から仕掛けて後ろに落とします。その際には相手の釣り手をしっかりと引き手でロックすることが重要です。

8. 浮技
浮技は相手が前に出てくる際の足に対して使う捨身技です。一度後ろに追い込んで崩しにかかり相手が慌てて前にでてきたときに、引き手の肘を畳と平行にして相手の体重を斜め前に崩します、それと同時に相手釣り手側の足横に踏み込み、引き手側に倒れることで相手は円を描きながら回転します。

9. 横分
浮技が自分から踏み込むのに対し、横分は相手の攻撃を誘いそのあと自分の釣り手側の足を相手の釣り手側の足横に滑り込ませます。自分が倒れている最中に釣り手を相手の胸部に押し当てて、引き手側にずらすと浮技と同じように相手は倒れます。

10. 横車
背負う動作を相手が行ったときに仕掛ける返し技の捨身技です。相手から斜め後ろに崩され引き寄せられ、背負う動作に入った時、まず腰に抱きつきます。そうして相手が防御のために前傾姿勢をとった際に、体の前に回り込み釣り手側の足を相手の足の間に入れ、もう一方の足で引き手側の足を挟み込みます。そうすると、自分の回転と合わせて相手が横に転がるようにして倒れます。

11. 抱分
高い姿勢のまま相手が背負投を仕掛けてきたときに仕掛けることのできる返し技の捨身技です。釣り手・引き手いずれかで相手のわき腹の襟を掴み、もう一方の手を奥襟から前襟にかけて巻きつけます。その後、斜め後ろに倒れるようにして相手を投げます。ポイントは相手が踏ん張れないように足を自分の膝でコントロールすることです。

12. 横掛
横分と同じように、一旦相手を追い込んで攻撃を待ち繰り出す捨て身技です。横分との違いは自分の引き手側の足裏を相手のかかとにひっかけ、釣り手は上にあげます。そうすることで相手は体勢を崩し、相手は真下に落ちます。

13. 跳巻込
跳腰の巻き込み技です。跳腰を仕掛ける際に腰の回転が十分でない場合に釣り手を相手の首に巻きつけて自分の体とともに巻き取ります。

14. 外巻込
引き手で相手の肘あたりをとり、釣り手で相手の釣り手を巻き込んで投げる技です。自分の引き手と釣り手によって相手の釣り手を固定してそこに自分の体重をかけるように巻き込むことで投げます。

15. 内巻込
相手を追い込んだ後に相手が足を出すモーションにでたときに仕掛ける巻き込みです。自分の引き手側の足を踏み出して背負いのように回転させます。そのときに釣り手を使って相手の引き手を固め自分の体重を使って巻き込みます。

16. 大外巻込
大外刈りを行う時に使用する巻き込み技です。自分の釣り手を使い、相手の肩から鎖骨にかけて固定して大外刈を掛けながら体重を掛けて投げる巻き込み技です。

17. 内股巻込
大外巻込と同じ原理を使用して相手を投げます。内股を使用する際に、自分の釣り手を離し相手の釣り手上部から巻き込み体重を浴びせて投げます。

18. 払巻込
こちらも大外巻込と同じ原理を使用します。払腰に入る際に釣り手を離し相手釣り手上部から巻き込みます。

19. 河津掛
禁止技です。釣り手を相手の脇の下から入れて、引き手をしっかりと自分の方に寄せます。その後大内刈りを仕掛けるようにして、自分の体重を掛けて倒します。この技は相手が受け身をとれず後頭部を強打する可能性があるので禁止されています。

20. 蟹挟
禁止技です。自分の引き手を離して奥襟を持った状態で相手の横に立ち、引き手を畳の上において軸にし、釣り手側の足を相手前面下腹部にあて、もう一方の足を相手のひざ裏にあてます。そして自分がそのまま仰向けになるように転がることで相手を勢いよく転がします。

柔道の技一覧29種類[固め技]

柔道には先に紹介した、立ったまま掛ける立ち技と、相手の動きを封じて一本を取る寝技があります。立ち技はセンスが必要な場合も多くあり、一本を取るには非常に多くの時間がかかります。しかし、国内試合などで多く勝敗が決まっているのは寝技の方が多いでしょう。ここでは寝技で使われる固め技について代表的な技を解説していきます。

抑え込み技(7本)

現在の国際ルールでは20秒抑え込み技が決まり続けると一本になります。抑え込み技の代表的な技をご紹介します。

1. 袈裟固
袈裟固は相手の首後ろに自分の腕を回し、自分の上半身を相手の胸部にかけて抑え込む技です。基本的かつ強力な技で、相手は、首と胴体を固められたことから立ち上がることができなくなります。崩れ袈裟固は、袈裟固の体勢は相手の脇に手を差し入れて肩固のようにします。

2. 崩袈裟固
崩れ袈裟固は、袈裟固の体勢で相手の脇に手を差し入れて肩固のようにすることで相手の動きを強く封じます。

3. 横四方固
横四方固めは相手のお腹に頭をつけ、首に手を回し、もう一方の手で足を押さえつけます。一見、身動きがとれなさそうに見えますが、力が限定的なため強度としてはいまいちな抑え込み技です。

4. 上四方固
上四方固は相手の頭に自分の胸部を乗せロックし、手で相手の帯を掴みます。この体勢は頭をしっかりと固定できるため強度が高く安定性もあります。

5. 崩上四方固
崩れ上四方固は上四方固をアレンジした固技全般を崩上四方固と言います。

6. 縦四方固
縦四方固は相手のお腹の上に馬乗りの状態になって抑え込む技です。片方の腕を脇から突き入れもう片方の腕をつかむことで相手が容易に動けなくします。足も相手の胴体に巻きつけて組むことでより強度が増します。

7. 肩固
袈裟固の胸部を押さえずに抑え込む方法です。相手の脇下から手をいれその手を逆サイドの首に掛けます。この固め方によって相手は肩から頭にかけて固められ容易に身動きが取れなくなってしまいます。ただし、下半身が自由に動く点も特徴的です。

絞め技(12本)

絞め技は相手がギブアップをするか、気を失うかのどちらかによって一本勝ちとなる強力な固技です。非常に奥が深く多種多様な絞め技があります。この中で基本的な絞め技をご紹介します。

1. 並十字絞
道着の襟を手をクロスさせながら絞める技です。並十字絞は襟を用いて手の平を下にしてクロスさせ絞めます。

2. 逆十字絞
逆十字絞は並十字絞の逆で手の平を上にして絞めます。並十字絞よりも手が首に当たるので強い効果を期待できる絞め方です。

3. 片十字絞
片十字絞は並十字絞と逆十字絞の両方で絞める絞技です。

4. 裸絞
裸絞は道着の襟を使わずに首に一方の腕を巻きつけ、巻きつけた方の腕とは逆の手を握手するように結び絞めます。この絞め方はかなり素早く道着に依存しないので、上手な人がこの技を繰り出すとき高確率で相手はギブアップをするでしょう。

5. 送襟絞
相手の後方か横から相手前面の襟をつかんで絞める絞技です。自分の体を密着させることによって、より強く首への力を伝えることができ、簡単に離れられる前からの絞技よりも強力です。

6. 片羽絞
相手後方から絞める絞技です。一方の手は相手の脇下から奥襟にかけて回し、もう一方の手は相手の奥襟から逆方向の前襟を掴みます。首全体を大きな力で、かつ身動きがとり辛い状態で絞められるので非常に強力な絞め方です。

7. 袖車絞
相手後方から奥襟から逆サイドの前襟あたりまで手を回し、自分も逆サイドの袖を握って離れないようにします。容易に振りほどくことができず、何かを掴むことにより発生する腕の力は非常に強いため、強力な絞技の一つとなります。

8. 片手絞
相手が仰向けになっており、自分が相手の後ろに回り込むことができた時に使用する絞技です。足も有効に使えるので、片手による絞技でも強力なものとなります。決め方は非常にシンプルで、体を密着させ奥襟から逆サイドの前襟掴み絞め上げます。このとき相手の体を足と手を使って固定すると効果的です。

9. 両手絞
相手が膝や足をついた状態で自分が仰向けのときに使用できる絞め方です。この体勢のときに両手で奥襟をつかみ首を圧迫するように前に引きます。また、足が比較的自由な場合が多いので、相手の胴体に巻きつけたりして相手が動けないようにするとより効果的です。

10. 突込絞
相手の体勢が仰向け、自分がマウントポジションをとっている場合に使用できる絞技です。両手で前襟を掴み、片方は気道を塞ぐようにクロスさせ、もう片方は引きます。非常に簡単な絞技です。

11. 三角絞
自分が仰向け、相手が中腰状態のときに仕掛けることのできる絞技です。相手の片一方の腕をとり、引き込み、両足で相手の首と肩を固定するように絞め上げます。この絞技は首だけを絞めると反則となります。

12. 胴絞
禁止技です。胴絞は他の絞技と一線を画します。両足で相手の胴部分を絞め上げる技です。足の力によって絞め上げるため非常に強力ですが、内臓に危害が及ぶ可能性が非常に高いため禁止技となっています。

関節技(10本)

柔道の関節技は肘関節を固めます。こちらも単純ながら強力な固技で、決まると相手がギブアップすることがほとんどです。ギブアップせずに負傷した場合にも一本勝ちとなります。代表的な関節技を3つ紹介します。

1. 腕緘
横四方固めをしている際に良く使われる関節技です。一方の手で空いての手の甲あたりをつかみ、逆の腕で自分の手の甲を掴みます。こうすることで、相手の腕全体をピンと伸ばすことができ、相手を掴んでいる手を腕が曲がる方向と逆方向にずらすことで決まります。

2. 腕挫十字固
腕肘戯十字固は相手の胴体を足で抑え込み、その足の間に手のひらを上に向けて挟み込みます。この体勢から自分が後ろに倒れることで肘関節が逆に動き、関節技が決まります。ポイントは後ろに倒れる前に相手の腕を完全に伸ばしきっておくことです。

3. 腕挫腕固
相手が仰向け状態で、自分がマウントをとっているときに使用できる関節技です。不用意に相手が伸ばしてきた腕をとり、相手の手の平が自分の顔の前に来るように固定します。そして、自分の方へ腕を上に上げながら引くことで関節技が決まります。

4. 腕挫膝固
相手が仰向けの状態で自分の足が自由になっているときに使いやすい関節技です。相手が不用意に伸ばしてきた腕を足で絡みとり、自分の手を使って相手の腕を引き寄せこていします。その後膝を使って関節を決めに行きますが、非常に難度の高い技です。

5. 腕挫腋固
うつ伏せ状態の相手に対して有効な関節技です。こちらも不用意に手を伸ばしてきたときに使用し、自分の脇であいての腕を固定します。また、体の体重を相手にのせ肩周辺を固定します。シンプルで強力ですが反則行為になる可能背もある使う側の技術が求められる関節技です。

6. 腕挫腹固
この関節技は、自分のお腹で相手の関節を決める技です。相手が四つん這いの状態のときに有効です。肩の固定は、相手の腕をとった逆方向の腕を首の後ろから逆サイドの前襟まで巻きつけることで行います。最後に引き出した腕の関節部分にお腹を押し当て関節を決めます。

7. 腕挫脚固
脇固と同様に相手がうつぶせ状態になっているときに有効な関節技です。肩の固め方は、相手の体に自分の体重を預け足で腕をからみとります。そうして腕を伸ばし四の字に足を組むことで関節をかけます。

8. 腕挫手固
袈裟固や横四方固からの連携技として使用されます。どちらの場合も抱え込んだ腕を伸ばし肘関節下に足を置きます。足を支点にして、手の平を上向きにして自分の手で下におして決めます。支点があるため決まると非常に強い関節技です。

9. 腕挫三角固
三角絞の体勢から、相手の手の平を上に向けて伸ばし、前に引き出すようにして肘関節を逆方向にまげる関節技です。ブリッジ体制をとることでおなかを使って傾斜を作ることで決まりやすくなります。相手が無理をして立ち上がったりすると簡単に決まってしまいます。ただし、寝技体制からの連携技なのでかなり難度の高い関節技です。

10. 足緘
禁止技です。自分が仰向けの状態で相手の足に対して掛ける技です。相手の片足に対して自分の両足を絡め膝関節あたりを固定します。それと同時に手を使って相手を引き寄せることで捻り上げます。足に危害を加える可能性が高いので禁止技となっています。

柔道の技一覧の中で基本的な技は?

柔道技の中で基本的な技は、体の動きが複雑ではない技です。足を単純に使ったり、担いだりと言った人間の基本的な運動を元にした技があげられます。

例えば、大外刈り、一本背負い、背負い投げ、掬い投げといった技が基本的な技の類型としてあげられます。

柔道の技一覧の中で簡単で強い技は?

柔道の技は動作が簡単でモーションが大きい程強力な技が多い印象です。大きく振りかぶって力を使える技が強力です。

例えば、背負い投げ、払い腰、内股、大外刈り、裏投げ、掬い投、巴投げなどが簡単な技で強力な技の類型として挙げられます。

柔道の技一覧の中で珍しい技は?

柔道の中で珍しい技は、たくさんあります。実戦の中で使われない技が珍しいわざと言えるでしょう。難易度の高い技も多く、決まれば一本をとれる技もありますが、高難易度ゆえに実戦で使われることが少ないでしょう。

例えば、山嵐、肩車、隅落といった技がこの類型に入ってきます。

柔道の技一覧の中で難易度の高い技は?

柔道の中で難易度の高い技はたくさんあります。難易度が高いというのは繰り出すのにセンスが必要であったり、実戦経験や練習を積まないと出てこなかったりするものがほとんどです。しかし、難易度は高くても実戦向きの技も数多くあるので種類自体は多いです。

例えば、出足払い、送り足払い、袖釣り込み腰、三角絞、三角固、隅落、山嵐などが難易度が高い技ということができます。

まとめ

柔道の技にはこの他にも色々な種類があり、選手それぞれがアレンジを加えることでたくさんのバリエーションが誕生してきています。日々たくさんの日本人選手が技の改良に努めているので、この中にはない技が誕生するかもしれません。最後まで見ていただき、誠にありがとうございました。