この記事では皆様にラグビーのタックルが上手くなる練習方法やより強いタックルをすることが出来るように気持ちの持ちようなど、お伝えしたいと思います。

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ラグビーのタックルとは?威力は?

ラグビーの中でタックルは頻繁に行われるプレーです。ボールを保持していない方のチームが、ボールを持っているチームの前進を阻止し、トライをさせないためにタックルをしてボールを奪うチャンスを伺います。

タックルをしないと、ボールを持っているプレーヤーは自由に前進することが出来、相手がやりたいプレーをさせてしまうばかりではなく、トライを奪われ、結果的には試合に負けてしまいます。

試合に勝つためにも、トライを取るだけでなく、タックルでボールを奪い返すことも重要です。テレビなどで観ると痛そうだったり、身体同士がぶつかる大きな音がしますが、タックルをする側とされる側のそれぞれの基本がしっかりしていれば、実は見た目ほど痛くありません。

ラグビーのタックルは最初は怖い?

見た目通り、タックルは激しいプレーです。ラグビーを始めたばっかりのプレーヤーには怖かったり、タックルをしたくない気持ちになるかもしれません。

実は、タックルは気持ちで左右される部分がとても多く、「怖い」と思っている側が負ける傾向にあります。タックルの基本姿勢やタックルをする方法をキチンと練習し、その自信をもって一度「どうなっても良い」、「怪我をしてもいい」くらいの勢いで相手に突進していってみてください。

初心者同士の試合であれば、肉体的にも精神的にも強い方がそのタックルは勝てるはずです。また、基礎がしっかりできていれば怪我をすることも少ないです。一度この感覚を得ることが出来れば、以降はこの感覚を体と脳が覚え、自然とタックルができるようになるはずです。

タックルに関するルール

タックルが成立した後はボールを持っているプレーヤーは1プレー以内にボールを離さなければなりません。倒された後、1プレーはボールを持ったままプレーすることを認められていますので、身体の態勢を変えて、味方がボールをキープしやすいようにボールを離すことが可能です。

この時に大学生や社会人でよく見られる自分の身体でボールを覆い、足の間からボールを出す「Aラック」と言われる行為は、危険なため基本的に高校生以下では認められていません。

また1プレーはすることが出来ますので、一度ボールを地面に置き、立ち上がりながらボールを再び拾って走ることもできます。1プレー以内にボールを離すことが出来ないと、ペナルティーが相手に与えられます。

タックルしたプレーヤーは迅速にタックルしたプレーヤーを離し、その場から去らなければなりません。いつまでもその場に居続け、プレーの邪魔になると判断された場合は、相手にペナルティーが与えられます。

ラグビーの基本タックルスキル4個

タックルを始めて練習するときは以下のポイントに注意しながら練習してみてください。

①姿勢

タックルにも強い姿勢、弱い姿勢があります。

強い姿勢は、スクラム姿勢のように肩と腰のラインが一直線にあり、且つ頭が下に向いていない姿勢です。全身の力が逃げることなく肩から相手に伝わり、負けないタックルをすることが出来ます。

弱い姿勢は、海老のように背中が曲がっている姿勢です。タックルをした際に相手の力でさらに背中が曲がってしまい、結果タックルをする事なく相手に倒されてしまいます。

②ヘッドアップ

タックルに入る瞬間、頭が下がっていないことも大変重要です。これはタックルするプレーヤーがケガをしないために必ず意識しなければならない事です。頭がインパクトの瞬間に下がっていると、相手の力が首に集中し、ケガをしてしまいます。大ケガをしない為にも日頃の練習からヘッドアップは意識して行いましょう。

③バインド

タックルに入る瞬間に相手の足を両腕でしっかりバインドする事も大事です。しっかりバインドする事で、相手の動きを封じ込み倒しましょう。

④踏み込み

インパクトの瞬間に片足をしっかり踏み込んで相手と密着しましょう。踏み込みを行う事でバインドもしっかりと行えると共に、2歩目が必然的に前に出て、タックルをしながら相手を押し込み、より効果的なタックルをすることが出来ます。

タックルのタイミング

人それぞれのタイミングがあります。自分のタイミングをいち早く見つけ出すことが重要ですが、分からないうちは以下のように行ってみてください。

背筋が伸びた体制で向かってくる相手をよく見ます。相手が近づいてきたらハンズアップをしながら相手の足と足の間に自分の踏み込み足をステップします。

相手の芯に入り込むことが出来れば、あとは相手の両足をバインドし、引き付けながら2歩目・3歩目を踏み出せば相手は自然と倒れていきます。相手の芯に入ることがタイミングを取る中でポイントですが、芯をとらえる方法は後の説明を参照してください。

タックルの練習方法・メニュー4個

①タックル姿勢の練習方法

高めの石垣などに手を付き、スクラム姿勢を練習しましょう。

この時に頭は常に上げて前を見るようにしましょう。膝をしっかりと90度曲げ、腰から上と膝から下を地面と水平なるように維持しましょう。初心者は1分x5セットを繰り返し行うといいと思います。

②踏み込みの練習方法

腰を落とし、ハンズアップした状態で両足を細かく地踏みします。

指導者の合図で右か左か指示を行い、その習慣にタックルに入る姿勢で大きく力強く一歩踏み込みます。一歩踏み込んだらまた最初の位置にすぐに戻り、これを繰り返します。

③バインドの練習方法

タックルバックかダミーで練習をします。踏み込みと姿勢を意識して、インパクトの瞬間に力強くバインドをして相手を引き付けます。その後一歩踏み込んだ足に続いて2歩・3歩相手を押し込みます。実践的な練習になるので、姿勢などの基礎を取得している必要があります。

④発展形

ダミーを持った人が斜めに走っている想定です。この時に芯をとらえていないと、手だけが当たって相手を倒せるタックルになりません。

踏み込みに意識をして、斜めに走っている相手を回り込むようにして動線上に踏み込みをすれば、必然的に芯に入るタックルをすることが出来ます。

さらに、このとき相手の膝の前に頭が入ってしまう、「逆ヘッド」にならない様に気を付けます。

タックルが下手な選手の特徴

タックルを上手くできない選手にはいくつかの特徴があります。

上記で述べた「姿勢」「ヘッドアップ」「バインド」「踏み込み」が出来ていない選手は「タックル」という行為はしたものの、「相手を止める」までは至りません。基礎があるからこそ、ラグビーの基本であるタックルを成立させることが出来ます。

他にも頭がタックルする相手と離れている選手は、威力のあるタックルが出来ない傾向にあります。

頭が相手と離れてしまう一番の原因は、恐怖心から来るもので、目下の衝撃を怖がっている可能性があります。頭が衝撃を受けると、恐怖心に直結してしまうのです。一番最初に記述した、恐怖心をいかに払拭するかが一番のポイントです。タックルが上手い選手は「コツ」を心得ています。自然と体が反応するのです。

タックルが上達するコツ5個

タックルにはいくつかのコツがあります。それをお伝えしたいと思います。

①相手との間合いが分かっている

自分もタックルするために走っていますが、相手も前進しようと全力疾走しています。自分のスピードと相手のスピードを感じ取り、自分がタックルをしやすい間合いを自分で気づく必要があります。

足の速さ、腕の長さ、脚の長さ、踏み込みの長さなど様々な要因によって個人差が出ますので、日々の練習・試合で体に染み込ませる必要があります。

②直前で体を低くする

社会人のサントリーサンゴリアスなどでも練習されている方法です。タックルに入る直前まで高めのディフェンスの姿勢で相手を待ち構え、実際にタックルに入る直前に相手の脛元まで体を低くし、一気にタックルに入る方法です。

そうすることで、ボールを持っている相手にタックラーの姿勢は高いから簡単に突破できると意識づけさせると共に、その「油断」に入り込み、タックルを成立させやすくすることが出来ます。

また、味方の1人目のタックラーが低く入ることで、2人目のプレーヤーはそのままの姿勢でボールに絡むことでパスなどのチャンスを殺すとともに、相手にノットリースザボールやモールのアンプレイアブルなどの反則を誘い、自分のボールにする事をチャレンジすることが出来ます。

③遠心力を利用する

フランカーなどの選手は、スクラムからのエイタンで斜めからタックルに入ることも多いはずです。このような状況で相手の芯にタックルが入れなかった場合、遠心力を利用してそのまま相手を引きずり落とすタックルも一つの方法です。

遠心力でタックラーに動きがありますので相手を引きずり倒しつつ、そのまま地に足をつけて立ち上がり、ジャッカルに入ることでタックラーがそのままアライブし、オフサイド無しで相手のボールを奪うことが出来ます。

④相手の腰骨を見る

上手いバックスの選手でステップがキレる場合は、相手の腰骨を常に注目しましょう。いくらステップで相手を翻弄したとしても、体幹が動かなければ、身体は先に進みません。

足先や上半身のステップも結局は腰骨を動かさなければ右にも左にも行くことが出来ないですし、ステップの間はこの腰骨は動きません。

腰骨を見て相手の動きを理解すればステップで置いて行かれないですし、慣れれば相手の芯にタックルを入ることもできます。すぐには難しい事ですが、目を慣らすことで容易にできるようになります。

⑤自分に自信を持つ

日々の練習や試合を積むことで相手に負けない何かが見えてきます。それに自信を持ちましょう。

自信があれば、大胆なプレーもできるし、大胆なタックルもすることができます。気持ちで引いていたり、負けていれば自信のない弱弱しいタックルとなってしまい、一つのプレーにも試合にも勝つこともできません。自信が持てるような日々の練習を意識しましょう。

タックルされた後の受け身の取り方

柔道などでは受け身で手を地面に叩きつけ、衝撃を和らげますが、この様な受け身はラグビーでは厳禁です。決まっていない形でタックルを受けることもあり、手を地面に付いてしまうと骨折などのケガに直結します。

タックルで倒されてしまうときは、身体を少し丸め、腕で地面に着地したり、肩甲骨の後ろあたりで受け身を取るようにしましょう。完全に倒れるまでボールを離す必要はありません。

途中で離そうとすると、衝撃でボールを落としてしまい、ノックオンなどの反則を取られる可能性があります。普段の練習からタックルを受ける練習も行わなければ、恐怖心から身体に無理な姿勢で受け身を取ってしまい、ケガをしますので、タックルをするだけでなく、受ける練習も真剣に行いましょう。

危険なルール違反のタックル4個

反則を取られてしまうタックルの種類があります。

①ハイタックル
ボールを持っているプレーヤーの肩より上にタックルをしてしまうと、タックルの強弱に関わらず危険なタックルとして反則になります。

②スピアータックル
通常にタックルに入ったが、ボールを持っているプレーヤーの足を担ぎ上げ、肩より高く上げてしまい、頭から落とすようなタックルもペナルティーの対象となります。

③ノーボールタックル
ボールを持っていない選手へのタックルもペナルティーです。

④ノーバインド
ボールを持っている選手へのタックルでバインドを行わず、肩でクラッシュするようなタックルも危険なタックルとみなされます。

この様な危険なタックルに対しては、警告なく一発シンビンまたは退場になることがありますので絶対にしないようにしましょう。

タックルによって起こりがちな怪我3個

①脳震盪
頭を相手に密着させる行為ですので、脳震盪はつきものです。脳震盪になってしまっあ場合は、プレーから外れ、家に帰るまで誰かの監督下の元で帰宅しましょう。

②脱臼
体で芯に入るタックルが出来ず、手だけでタックルしてしまった場合、腕が相手の勢いで押され、無理な体勢になることで脱臼を起こすこともあります。

③骨折
受け身が上手くできずに手を付いたり、危険なタックルを受けることで骨折をすることがあります。

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まとめ

日々の基礎練習を怠らずに行う事で、素晴らしいプレーをすることもできますし、ケガの予防もすることが出来ます。

タックルは実は楽しいプレーです。楽しむためには苦手意識や恐怖心、コツを身体が取得することでタックルからラグビー自体を楽しむことが出来ます。あなたの素晴らしいプレーを見れることを楽しみにしています。