軽い運動やボディバランスの維持、それとレジャーを兼ね備えている健康志向の広まりでトレーニングジムを取り巻く市場は手堅く成長しています。トレーニングジムはトレーナーのスキルと経営についての知識や経験があれば独立開業が容易な業態です。

しかし衣食住と異なり、生活必需品ではないレジャーの範疇にあるトレーニングジムの運営は家計状況や景気動向に左右されやすい側面もあります。

この記事では開業前からの準備や集客方法など、実際にトレーニングジムを独立開業する際に気を付けておくべきポイントをご紹介していきます。上手に準備をしてから効率良い運営をしていけるお手伝いができれば幸いです。

ジムの種類

トレーニングジムは大きく分けてフィットネスジムとパーソナルジムの2種類があります。
ここでは簡単にそれぞれの特長をお伝えします。

フィットネスジム

フィットネスジムは従来から広く認知されてきた一般的なトレーニングジムですね。利用者ごとに専属のトレーナーがマンツーマンでつくわけではありませんから、後述するパーソナルジムと比べて比較的安価に利用できます。主な特徴は以下の通りです。

◯会員制
フィットネスジムでは、利用回数にかかわらず同じ月額料金で利用できるという会員制を採用しています。

◯コースが豊富
フィットネスジムはコースを複数準備しています。それぞれのコースに応じた料金設定がされているものです。フィットネスジムの利用者は、週に1回程度利用する人や毎日通う人、午前中のみ通う高齢者から仕事帰りのOLさんまで多岐にわたります。

◯設備が大型で種類が豊富
フィットネスジムは不特定多数の人が利用することを前提としています。様々な利用者に対応するためにトレーニング用品が充実しています。フィットネスジムの運営では多くの人に利用してもらうことにあります。客単価は大手で1人10,000円/月前後が多いため、どれだけ多くの利用者を自店舗に繋ぎ止めておくかが安定した経営のカギとなります。このため、競合他社に利用客を奪われないためにも、多様なニーズにそったコース設定と料金体系が必要になります。

パーソナルジム

パーソナルジムは近年注目されてきた形態です。トレーナー1人が利用者1人に専属で付いて一緒にトレーニングを行います。トレーナーが利用者に直接マシンの使い方や食事の摂取方法などについてのアドバイスをします。この仕組みで短期間にも関わらず大きな効果を上げられることを売りとしています。主な特徴は以下の通りです。

◯パーソナルトレーナー制度
パーソナルジムはパーソナルトレーナー制を導入していることです。これこそがパーソナルジム最大の特徴でしょう。このことからパーソナルジムは一般的なフィットネスジムよりも料金は高くなりがちです。

◯個室でマンツーマンのトレーニングを行うジムもある
完全個室でマンツーマンの指導を行う方法を採用しているジムがあります。これをプライベートジムとよび、近年急激に増えてきているジムのスタイルです。プライベートジムのメリットは顧客のプライバシーを確保できることです。そのため女性専用ジムなどのコンセプトで展開されているジムもあります。

◯食事管理のサポートがある
パーソナルトレーナーから提案される食事管理のサポートがあります。マンツーマンが基本のパーソナルジムならではのサービスですね。

パーソナルジムは、顧客数が少数に絞られるため、一人当たりの単価を高くすることで利益を上げる必要があります。マンツーマンが原則なので、一度に大人数の利用者を見込むことが難しいと言えます。また、高額な利用料を支払える方を対象とするため店舗の商圏内に富裕層がどれだけいるのか等の要素が大きく影響してきます。

ジムの独立開業に資格は必要?

ジムの独立開業をするために資格は必要でしょうか?資格は必要ありません。というのも、トレーナーの資格に国家資格はなく、いずれも民間資格ですから資格を持たなければジムの独立開業ができないという制限はありません。

しかし、資格を持っていると、独立開業する上でのメリットもあります。資格は看板にもなりうる安心材料です。

ジムは身体を扱うサービスになりますが、資格があることで自分が怪しいものではなく、きちんとトレーニングを教えることができる人物であるという証明になります。実際問題、ジムの独立開業を考える方は大抵の場合は自分自身もジムで体を鍛えているケースが多いのですが、ただ単にトレーナーというだけではなく、確かな知識体系を得ているという証明になる資格や経歴はお客様にとっては重要なポイントといえます。

トレーニングジムの業界で有用な資格はたくさんあります。

・NSCA-CPT(NSCA 認定パーソナルトレーナー)
・NESTA-PFT(NESTA 認定パーソナルフィットネストレーナー)
・JATI-ATI(JATI認定トレーニング指導者資格)

これらは大手トレーニングジム運営会社でも採用基準としてよく目にする資格です。

ジムに置くマシンの種類と数の具体例

ジムに置くマシンの種類と数は、ジムの規模によって異なります。まずはどのようなジムにしたいのかを決めましょう。後述しますが、ジムのコンセプトをどう設定するのかに応じて、マシンの種類と数が決まってきます。

有酸素運動マシン

心肺機能を高める効果のある有酸素運動マシンにはランニングマシンやエアロバイク、エリプティカルトレーナーなど多数の有酸素運動マシンがあります。特に女性や中高年といった軽い運動を目的とした方がよく利用されます。数種類の有酸素運動マシンをそれぞれ複数台設置しておくことが望ましいでしょう。

部分強化マシン

一般的にはストレングスマシンとよばれるものです。ストレングス(strength)とは筋力を意味し、筋力アップや筋肉増加トレーニングが可能なマシン類のことを指します。大胸筋を鍛える「チェストプレス」や、腹筋を鍛える「ロータリートルソー」等、筋肉を部分的に鍛えられるマシンです。ストレングスマシンは有酸素運動マシンと異なり、1台を長時間使用することが少ないため同種を揃えるよりは様々なマシンを1台づつ揃えるほうが利用者にとっては利便性が増すでしょう。

トレーニングそのものには必ずしも必要というわけではありませんが、設備としてはシャワールームがあることが望ましいです。顧客満足度を考えるとシャワールームの設置は必須かもしれませんね。

このほか、有酸素運動マシンやストレングスマシンを使わない運動をしていただくために
鏡、床のコルクマット、ストレッチポール、ストレッチマット、フラットベンチ、ダンベル、縄跳びなどが必要になります。筋肉量を増やすための器具や健康増進・ダイエットにも使える器具が揃っていることはジムの基本的な条件となります。

またタオル、ミネラルウォーター、シャワールーム内のアメニティグッズ、貸し出し用のトレーニングウェアなどがあると喜ばれるでしょう。

トレーニングマシンの利用状況監視・安全確認はジムを営業する上で義務といえます。小規模なジムでもその義務は等しく負わなければなりません。マシンを導入して終わりということがないように、定期的な点検・整備、数年ごとの機器の入れ替えをしましょう。お客様に快適に利用していただくためには店内の清掃やトレーニングエリア以外の清潔感も大事になってきます。

ジムの独立開業にかかる初期費用・必要な資金

ジムの独立開業にかかる初期費用はいくらくらいかかるのでしょうか?トレーニングジムの開業にはさまざまな費用が必要です。主なものは以下の通りです。

・テナント代…賃貸なのか、自己所有なのかで大きく異なります。
・内外装改装費…全く手を入れずにそのままトレーニングジムにはなりません。
・設備費…トレーニングジムは一見、トレーニングマシンの充実がイメージしやすいのですが案外それ以外のハード環境の整備にお金がかかるものです。例えばシャワールーム、壁面の大きな鏡、トレーニングをアシストする手すり、床材などです。
・トレーニング機器費用
・事務用品、消耗品
・広告宣伝費

まずは店舗物件を賃貸で営業するのか自己所有するのかで初期費用はだいぶ変わってきます。物件に関してはよく考えて選択してください。

自己所有であれば個別に状況が変わってきますが賃貸であれば契約手数料、家賃6カ月分、その他火災保険料などの諸経費程度です。

次に支払う必要があるのがトレーニング器具や機材です。「パワーラック」「アジャスタブルベンチ」「オリンピックバー」といった筋肉増強用の器具と「フロアマット」や「バランスボール」といった主に体幹を鍛えるためのものが必要になってきます。筋肉増強用の器具は全て新品で揃えるとなると非常に高額になります。専門の業者などから程度の良い中古品などを導入することで費用を抑えてください。

必要な費用は他にも内装費、外装費、設備費、広告宣伝費等があります。ジムの規模にもよりますので一概には言えませんが最も小さい規模で300万円、一般的な個人経営のトレーニングジムで1,000~1,500万円程の初期費用がかかります。

ジムの独立開業で成功するコツ4つ

ジムの独立開業を成功させるには以下4つのポイントを抑えてみてください。いずれも当たり前のことに見えるものですが、開業前からしっかり意識していないとずるずると経営状況は悪い方向へ傾いていきます。

・開業前から信頼のおける相談先を持つ
・ジムのコンセプトを明確にする
・開業前から商圏人口などを前提にした事業計画をしっかりと立てる
・広告宣伝活動は念入りに行う

①開業前から信頼のおける相談先を持つ

ジムの独立開業は一世一代の大仕事になる方がほとんどでしょう。そこでお勧めしたいのが信頼のおける相談先を探しておくということです。

具体的には地域の商工会、商工会議所に相談するのが良いでしょう。いわゆる「経営コンサルタント」や各種士業の事務所も相談先として候補に挙がりますが、こういった専門家への相談は有償であることが原則ですし、人によって知識やアドバイスのレベルも大きく異なります。

その点、商工会や商工会議所であれば長年活動してきた地域経済団体です。経営に関する情報、ノウハウの水準は組織内で共有されているため、レベル感にも確かなものがあります。その上、相談は原則無料ですからここを頼らない手はないといえます。

②ジムを開業する前にジムのコンセプトを明確にしましょう

ジムの独立開業をする前に様々な準備をすることになりますが、その中でもある意味最も重要なことがあります。それはあなたが開業するジムのコンセプトを明確にすることです。

自店舗のコンセプトがしっかり設定できれば地域でもオンリーワンの店舗になり、お客様から選ばれます。逆にコンセプトが設定できていなければ、競合他社とは価格競争でしか勝負ができなくなってしまいます。

コンセプトの設定をする上で非常に重要なのが以下3つの項目です。

Customer(カスタマー)   :市場・顧客
Competitor(コンペティター) :競合
Company(カンパニー)   :自社

いずれも頭文字がCで始まることからマーケティング分野では通称「3C」といわれているものです。

「カスタマー」の項目は、出店予定の地域にはどんな方が住んでいて(働いていて)、どんなサービスが求められているのか?「コンペティター」の項目は同じ商圏内の競合他社はどこにあるのか?その内容は?さらに「カンパニー」の項目では自店舗の強み、弱みはなにか?

一般的には中小・小規模事業者は強み、すなわち長所を伸ばす戦略を取るのがセオリーとされていますが、競合他社との差別化をその長所をどのように活用して実現するのか?こういった内容を深く深く追求して考え抜く必要があります。もちろん、これも商工会や商工会議所に相談して、担当者と一緒に考えながら創り上げていってもよいでしょう。

③開業前から商圏人口などを前提にした事業計画をしっかりと立てる

ジムは店舗から徒歩2km以内、車で片道20分以内の一般的な商圏内にどれだけの住民がいるか、通勤途中やオフィス街などに活動人口があるかによって客層や売上が大きく変わってきます。

例えば商圏内が住宅地であればその住宅地の平均的な世帯像によって中高年向けなのか高齢者向けなのか、などのコンセプト設定にも影響してきますし、それがコース・料金の設定にもつながっていきます。

④開業前から営業は始まっている!広告宣伝活動は念入りに

広告宣伝活動は非常に大事です。ジムを開業するスケジュールが大まかに定まりましたら、地域、商圏の中での広告宣伝活動に力を入れてください。特に事前告知もなくある日、ジムが開業しても初日からは誰も店舗に入ってきません。

開業日程が決まったということはそれより数か月前から利用客になってくれる可能性がある市場へのご案内が欠かせません。この際、キャンペーンを展開して入会金無料や期間限定の割引などのサービスを提供することで開業当日からのロケットスタートを実現できるかもしれませんね。

また、せっかくの開業という大イベントですから店舗が完成していく様をSNSやホームページに連載してアップするのも大変よい仕掛けといえるでしょう。

ジムの集客方法6つ

経営に関わる人の中では割と知られた事なのですが、新規顧客を獲得する手法に絶対的な正解はありません。業種、業態、地域環境、自己資金等の諸条件が複雑に影響して自店舗の客数や売上は決まります。

このため、広告宣伝活動、販路開拓では地道な活動を続けることが重要になってきます。その中でも割と王道といえる手法は限られてきますのでまずはこの王道的な手法から地道に取り組んでみましょう。

・ホームページ(自社サイト)
・SNS運営
・チラシ、フライヤーなど紙媒体の配布
・タウン誌や地域コミュニティへの広告出稿
・ポイントカード制、会員制を上手に活用して友達紹介キャンペーンを行う
・ポータルサイトへの登録

①ホームページ

まずはホームページですね。いわゆる自社サイトということになります。昨今はSNSが大変アクティブで重要になっていますからホームページはいらないんじゃないか?と思われる事業者も多数いらっしゃいます。

しかし、これは大間違いなのです。スマホやパソコンでジムの情報を検索する方がどんな情報を求めているかを考えればすぐに判ることです。

見込客は、あなたのジムについての公式な情報をまずは求めています。営業日、営業時間、パーソナルジムなのかフィットネスジムなのかという営業形態、コース料金、施設はどの程度充実しているのか、トレーナーはどんな人なのか…等の情報です。

こういった情報はSNSで細切れの状態では手早く認識することが難しいため、本当に利用する可能性がある方はまず公式サイトを見るものなのです。

ホームページは一度作れば大掛かりな改修はしばらくしないことが普通です。中途半端なものを作るよりはある程度予算を掛けて開業するジムの魅力が存分に伝わるような上質なホームページを作ることをお勧めします。

②SNS運営

次にSNS運営です。先ほどホームページの開設がいかに重要なのかはお伝えしましたが、とはいえ、ほとんどの人は自店のホームページを一目散に検索してくれる事などありません。

まずは日常的に使っているFacebook・Twitter・InstagramなどのSNSで目に触れる機会を作る必要があります。一般的にはFacebookのユーザー層が中高年中心、TwitterやInstagramは若年層中心と言われています。

また、一般的なSNSとは使い勝手が少し異なりますがユーザー数が多いLINE@による広報活動も有効です。これらSNS運営による広告宣伝活動はそれぞれのプラットフォーム毎に特性が異なるため、それぞれの特性に合わせた活動が必要になってきます。

ただSNSに漫然と広告を流せばいいという話ではありません。これも可能であれば確かな実績があって、信頼のおけるアドバイザーがいたほうがいいと考えます。

③チラシ、フライヤーなど紙媒体の配布

ジムの営業にはチラシ・フライヤー等の紙媒体での広告宣伝活動も非常に重要です。紙媒体の良さは気軽に手に取れることと、情報の一覧性があることです。

これは実際にあった話ですが、インターネットに疎い事業者がフィットネスジムを開業する際、開業前2か月間徹底的に紙媒体の広告を地域内に配布した結果、開業1か月目から利用客が殺到してロケットスタートに成功したという事例もあります。

紙媒体での広告宣伝活動は足を使って回る必要がありますが決して甘く見ない方がいい手法です。

④タウン誌や地域コミュニティへの広告出稿

また、紙媒体といえばタウン誌や地域コミュニティの広報資料等への広告出稿も検討されてみてください。地元情報の収集ではいまだに影響力の強い媒体がこれらの冊子です。

特に地方都市だと短期的な効果に限られるデメリットはあるものの、ネットとは比較にならない影響力を持つ媒体であることも珍しくありません。チラシ・フライヤーなどの制作に合わせてこういった冊子類への広告出稿も検討していただきたいものです。

⑤友達紹介キャンペーンを行う

最後に、ポイントカード制の効果的な利用です。ジムの営業活動では会員制をとることがほとんどだと思われます。

ジムへ来訪される皆様の情報を得られることから、既に会員になられている方に向けた追加の営業活動がすぐに思いつくところですが、せっかく会員制になっているのですからポイントカード制にして、友人知人を紹介していただくことで、お得感のあるポイント付与などのサービスを提供してみてください。

ジム通いは意外と話題になることが多いため、利用者に向けて強めのきっかけさえあれば友人知人の紹介が発生しやすくなります。

⑥ポータルサイトへの登録

ジムなどのフィットネス施設を集めたポータルサイトがありますので、そこへ掲載する方法です。

他の施設より目立たせたり、口コミで上位表示させたりすることもできますので、情報を充実させて、会員の方に口コミをお願いするといいでしょう。

例えば、Trairyのようなフィットネスポータルサイトです。

ジムの独立開業で失敗しないための注意点3個

ジムの独立開業では開業したものの、すぐに経営がうまくいかずに失敗することも珍しくありません。あらかじめ典型的な失敗しやすいパターンを3つご紹介します。

・設備費が大きくなりがち。必要なものに抑える
・利用客の離脱。お客様が継続していける工夫を
・開業当初は現金が大きく動き、入出金が読めない。

①必要なもの(費用)を抑える

ジムの独立開業で用意しておく費用は、大きく分けると「開業資金」「運転資金」「生活費」の3分野に分かれます。その中でも特に予算をオーバーしやすいのが「開業資金」の中に分類されるトレーニング機器やジムに必要とされる備品類です。

どうしても事業者が思い描く理想的なジムを作ろうとするあまり初期投資が大きくなりがちなのです。ジムを開業しようというくらいの意欲がある方なのでつい専門的な知識であれも、これも、と大変良い機器や備品を揃える傾向があります。

「開業資金」には他にも店舗物件に関する費用、設置工事費や内装工事費、ホームページ制作費などがあります。予算全体のバランスを見て準備をしてください。

創業や創業直後であれば様々な制度や補助金を利用することをお勧めします。例えば都道府県や市町村など、地方自治体ごとに移住や創業を支援する制度があります。どの自治体も自分の地域が活性化することを望んでいるのです。また、金融機関も創業支援について特例の融資制度を持つことが多いものです。代表的なものは日本政策金融公庫の国民生活事業の「新創業融資制度」です。これは新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方に無担保・無保証人でご利用いただける融資制度で一般的な事業融資よりも低利でかつ融通の利きやすい内容になっています。

補助金制度も同様に非常に多様です。ジムを独立開業する方にも使いやすい制度の一例として「小規模事業者持続型補助金」という補助金があります。個人事業主を対象に、販路開拓等の経費の一部(自己負担率1/3)を最大で50万円、補助金が出る制度です。しかもこの制度では商工会・商工会議所の支援を受けて事業者が経営計画を作成することになっていますので、先にご紹介したこれらの地域経済団体からの支援がここでも受けられることになります。

②利用客の離脱

利用客がなかなか定着しない場合には注意が必要です。

ジムに通う会員客は、生活必需品ではないジム通いにお金を払います。ところがトレーニングの効果が出る前に退会するケースが多いものです。これをなるべく防ぐために会員客が楽しく継続できる仕組み、効果を実感できる体験を提供することです。

「ダイエットやメニューについての細かい相談に応じる」「会員同士が話しやすい環境を整える」「ジムでのカリキュラムごとに意味を説明し、納得して取り組んでもらう」など会員に継続して通ってもらうための工夫を凝らしましょう。

また、お金の入出金に関して継続しにくい要素が出てきます。銀行に交渉して「会費の自動引き落とし制度」を導入したり、キャッシュレス決済やクレジットカード決裁可能な仕組みを導入することで継続率は下がりにくくなります。毎月の現金払いの請求と支払という会員客の心理阻害要因をなくしていきましょう。

③入出金が読めないため、運転資金を確保する

3点目は、開業当初は現金が大きく動き、入出金が読めないことです。ここであらかじめ準備しておきたいのが「運転資金」です。ジムの運営では大がかりな仕入が発生しないため主な「運転資金」として水道光熱費、会員募集の広告宣伝費、消耗品費などを計算に入れておく必要があります。また店舗物件が賃貸であれば家賃も発生します。

それにも関わらず、最初から十分な利用客が店舗へ来てくれるかどうかは分かりません。さらに利用客が会員になってもある程度の期間利用し続けてくれるまでは利益が出ません。

安定した経営状況になるまでにはある程度の期間がかかります。こうしたことを予想して、開業前から余裕を持った手元資金を確保する必要があります。目安として、半年程度の運営が可能な額の資金を貯金や金融機関からの資金調達で準備しておきましょう。

まとめ

ジムを独立開業するにはトレーナーとしての専門的な技術や知識以外にも、経営に関するスキルが非常に重要になってきます。簡単ではございましたが今回ご紹介したポイントを参考にして、開業に必要な準備を行うことで、安定した経営ができるようになるでしょう。

あなたが考え抜いたコンセプトがしっかりとしたジムならばお客様は必ずついてきます。是非、地域で一目置かれる活気のあるトレーニングジムを育て上げましょう。