日本古来から伝わる、日本伝統の武術「柔道」。柔道の試合は、基本的に階級制度で分けられています。

しかしいったいなぜ、柔道の試合は階級で分けられているのか知っていますか?本記事をお読みいただくことで、柔道の階級制度による知識を身に着けることができますよ。

柔道の階級はなぜ分けられている?

ボクシングなどの打撃系の格闘技ならば、パンチによる脳のダメージなどの考慮もあり、階級で分けられて当然だと思う方も多いでしょう。しかし、柔道にはパンチやキックなどの打撃技を繰り出すことは反則です。

では、なぜ階級別で分けられているのでしょうか。

その理由は、柔道というスポーツは体重差による筋肉量やフィジカルの差が露骨に出てしまうスポーツだからなのです。

基本的に体重が重くなるにつれ、筋肉量は段々と増えてきます。そのため、60kgの選手と120kgの選手が戦うと、60kgの選手は技術以前にパワーのみで吹き飛ばされてしまいます。

また、軽い選手の方が重い選手と比べて体力も消耗していしまいます。これではフェアではないという話になり、体重制度が設けられるようになったのです。

男子柔道の階級の体重別分け方

それでは、男子柔道の体重別の分け方を見ていきましょう。

男子柔道は

・60kg級
・66kg級
・73kg級
・81kg級
・90kg級
・100kg級
・100kg超級

の7階級に分けられています。

女子柔道の階級の体重別分け方

続いて、女子柔道の体重別の分け方を見ていきましょう。

女子柔道は

・48kg級
・52kg級
・57kg級
・63kg級
・70kg級
・78kg級
・78kg超級

これらの7階級に分けられています。男子も女子も共に7階級で区切られています。

柔道の階級の無差別級とは?

柔道の試合では、中には無差別級という階級の試合も行われることがあります。無差別級っていったい何なんだろうと思ったことはありませんか?

柔道の無差別級というのは男性と女性の性別こそ分けられているものの、階級制度で分けるようなことはせず、軽い選手から重い選手まで同じトーナメントで争います。

しかし前述した通り、柔道は体重差やフィジカルの差が露骨に出てしまう競技であることから、軽量級は怪我の恐れなどを考慮して無差別級には出場しないことがほとんどです。

しかし先日、無差別で柔道の日本一を決める「全日本柔道選手権大会」において、60kg級リオデジャネイロオリンピック銅メダリストの高藤直寿選手が出場し柔道界では大きな話題になりました。

結果は一回戦敗退となってしまいましたが、その勇気をたたえられて会場からは温かい拍手が送られました。

柔道の階級の体重区分がキリの悪い数字になっている理由

柔道は階級制度によって分けられていますが、なんだかキリの悪い数字だなと思うことはありませんか?60kg級、70kg級といったふうに、キリよく分ければいいのに!と思う方も少なくないはずです。

しかし、階級制度にはそのようなルールになっている理由があるのです。

60kgから66kgは+6kgですよね。そこから階級が上がるに連れて1kg足していくのです。ですから、66kg級から+7kgで73kg級、73kg級から+8kgで81kg級、といった具合になっています。

階級制度の区切りにはこういった理由があったのです。

オリンピック柔道の階級

オリンピックでは柔道の階級はどのようになっているのでしょうか?

2019年現在男子は以下のようになっています。
・60kg級
・66kg級
・73kg級
・81kg級
・90kg級
・100kg級
・100kg超級

女子は以下のようになっています。
・48kg級
・52kg級
・57kg級
・63kg級
・70kg級
・78kg級
・78kg超級

見ていただいてわかることと思いますが、オリンピックだからといって、特別に階級をつくったり減らしたりというのはありません。

今でこそ男子も女子も7階級ずつありますが、過去のオリンピックの階級はもっと少ないものでした。

まず男子なのですが、1964年の東京オリンピックでは
・68kg級
・80kg級
・80kg超級
・無差別級
この4階級のみでした。

1972年から1976年の4年間は、
・63kg級
・70kg級
・80kg級
・93kg級
・93kg超級
・無差別級
この6階級に増えました。

そして、1980年から1984年の間は
・60kg級
・65kg級
・71kg級
・78kg級
・86kg級
・95kg級
・95kg超級
・無差別級
この8階級に増えました。

しかし、1988年のソウルオリンピックから無差別級が廃止となります。

なので1988年から1992年の間は
・60kg級
・65kg級
・71kg級
・78kg級
・86kg級
・95kg級
・95kg超級
の7階級で行われることとなりました。

そして現在も、体重の区切りに違いはあるものの、同じ7階級で実施されています。

続いて女子なのですが、女子柔道のオリンピック競技化は1992年に行われています。

1992年から1996年は
・48kg級
・52kg級
・56kg級
・61kg級
・66kg級
・72kg級
・72kg超級

女子はこれらの7階級で行われていました。そして現在も体重の区切りこそ違いますが同じ7階級で実施されています。

高校生柔道の階級

高校生柔道の階級は大人の階級制度と変わりはありません。

男子は
・60kg級
・66kg級
・73kg級
・81kg級
・90kg級
・100kg級
・100kg超級
この7階級で行われています。

女子は
・48kg級
・52kg級
・57kg級
・63kg級
・70kg級
・78kg級
・78kg超級
この7階級でおこなわれています。

中学生柔道の階級

先程の高校生は大人の体重制度と変わりはまったくありませんでしたが、中学生の体重制度は少し違います。

中学生男子の場合、
・55kg級
・60kg級
・66kg級
・73kg級
・81kg級
・90kg級
・90kg超級
となっています。

大人の階級と比べると、大人は最軽量の階級が60kgだったのに対し、中学生の場合55kg級が設置されています。また、最重量階級も違います。

大人の階級の最重量級は100kg超級でした。また、その下の階級は100kg級でした。しかし中学生の場合最重量級は90kg超級となっており、100kg級は設置されていません。

続いて、中学生女子の階級を見ていきましょう。

中学生女子はこのように分けられています。
・44kg級
・48kg級
・52kg級
・57kg級
・63kg級
・70kg級
・70kg超級

先程の男子と同じように、最軽量と最重量が大人の階級とは違います。

まず、最軽量が大人は48kg級だったのに対し、中学生は44kg級が設置されています。また、最重量は大人は78kg超級だったのに対し、中学生は70kg超級となっており、78kg級は設置されていません。

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まとめ

柔道の階級制度について少しでも理解することができましたか?柔道という競技は体重差やフィジカルの差が露骨に出てしまうことから階級制度が設けられ、また階級の数字もルールのある数字ということがわかっていただけたと思います。

そして現在、無差別級の試合はほとんど行われなくなりましたが、年に一回「全日本柔道選手権大会」という大会が行われており、その試合は無差別級ですので、無差別級の試合が見てみたい!という方は是非チェックしてみてくださいね。